抗がん剤は2クール目に入った。
この頃から人参ジュースをスタートした。
人参ジュースは一週間に一度、大量の人参を仕入れて(笑)、朝に600㎖くらい、約一日分のジュースを作った。
体に良いことは何でも取り入れてみよう。
ガンになる前、私はダンサーってこともあり、体形のことばかり気にしていて、太らないように心がけていて、今になって思えばウサギの食事程度だったと思う。
ガンになってから・・・よく食べた。とにかく、ガンに負けないように、手術に向けて体力を蓄えないと!
今まで、胃が膨らまなくて食べられなかったのに、信じられないくらい食べられるようになっていた。体重も増えた。
後で分かったのだけど、食欲があったのは、オノチャンが抗がん剤の時に、一緒に食欲が増すように???という薬も処方してくれていたらしい。
12月2日、朝から38.8℃。熱があるので緊急外来した。念の為調べると、インフルエンザにかかっていた。
12月5日からの一泊二日の抗がん剤入院予定がインフルエンザのため、延期となった。
抗がん剤1クール目は比較的副作用もなく過ぎた。結構大丈夫なもんだなと思っていたら、
2クール目のしんどいこと。吐き気と悪心、火照り、髪の毛も僅かだが抜け始めた。
母は実家に父を一人おいて、私の家に滞在してくれた。
12月17日。親戚のお姉さんがパワーのある方を連れてきた。
私に手をかざしてパワーを送ってくれるという。
私はお姉さんの気持ちに応えたくて、元気ににこやかに努めようとするも、何故だか段々しんどくなり、「横になってもいいですか?」と尋ねて、伏せてしまった。
パワーの方は、「段々楽になりますよ」と言った。私は益々しんどくなった。
「私がパワーを送る人はね、一回の施術でガンが無くなり、治るんですよ」と言った。
この言葉には鈍い私も流石にイラっと来た。抗がん剤をやって、これ程苦しい思いで過ごしている私に、『一回でガンが無くなる?』本当???!!!そんなまやかしみたいな、軽い言葉をかけないでほしい!!!と心底思った。
続けて「だからね、2回目の依頼が無くて、結局あまりお金にならないのですよ」と話した。
そして、挙句の果て、パワーで肌を15歳若返らせることが出来ると言った。母に、「お母さんもどうぞ、肌がキレイになりますよ」と言った。
母は断った。
そりゃそーでしょ。今、命の戦いをしている娘を前に肌の若返り?
そして、施術料の1万円と交通費3000円を払った。
「あと一万円で一週間遠隔で治療をしてあげますよ」とパワーの方が言った。母が「わしちゃん、払っとき」と言うので私は更に一万円出して、2万3000円をお支払いした。
親戚のお姉さんとパワーの方は帰って行った。
「とてもしんどそうで見てられなかった。追加料金払ってとっとと帰ってほしかったのよ」と母。
翌日から、「今から気を送ります」と早朝にショートメールが一週間届いた。
その都度、一言お礼を言った。最後の日に、さらに一万円で一週間治療出来ますよと言われたが丁寧にお断りした。
パワーの方、2回目の依頼が無いと言っていたのだけは事実だな・・・これは無いね・・・
私はどちらかと言うと信心深いほうである。
神にもすがる気持ち・・・わかる!ってか、今の私には祈りしか無いとまで思っていた。
祈りは科学で証明されている(本によると)し、信じている。誰かのために祈るということの尊さを信じる。
それに対価をお支払いするということだって理解する。
けど、このパワーの方にはそんな気になれなかった。
12月26日、27日、入院。抗がん剤。
12月28日、会社の忘年会に参加した。焼き鳥屋に行った。気持ち悪くて食べられなかった。
12月31日から毎年恒例のオットットの実家へ。いつもと変わらず、ご馳走とお酒、紅白歌合戦、などこれまでの年末と同じだった。私のスキルス胃ガンに罹患してること以外。
2016年が終わり、新しい年が明けた。
※この記事はガンになってから綴った私の5年日記を元に当時のことを振り返っています。
※アーカイブの月日は日記に沿ってあげています。
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